日報

あるいは遺書

りゅう

2月

少しずつ


帰ってくる


沈黙の木


美しくほどける


意味がまた


お墓の中から


青かったから


大切にして


なんとなく笑う


膨らんでは閉じていく


淡い色の絵の具


パレットの上に花びらが


見るように聴いていた


今、月にいます


こちらでは雪が降っています


扉を開けたらおかえり


惹き寄せ合う


料理をする


間違いじゃない


ため息一つ


屋上に行こう


びゅうっと風が吹く


言霊を空に放つ


信じても信じなくても


それはある


窓からの日差しで目を覚ます


2月


行ったり来たりする


進んだり戻ったりする列車に乗って


影を追い越しては


胸の中で季節が満ちる


きらきらと


運ばれていく感覚


遠い過去に向けて手紙を


暇なんで


心の隙間をそのままにする