日報

あるいは遺書

りゅう

誰かの音楽

幾つもの形の中で


静けさを抱きしめた


構わない


季節が開いて


また一つ忘れて


洗濯物が揺れていた


誰もいないのに声がする


風が吹く


最近遠くに行ってないな


あと何回会える?


階段をのぼる


睫毛が震える


理由もなく隔てる壁


もう一回最初から数える


やり直そう


ぬくい窓辺


余計な嘘をついて


空気がしんとするのを聴く


だんだんもつれていく


再び失った時に


ただそこで佇んでいる


誰もいない遊園地みたいな


相反することでバランスを保っている


水飛沫、5歳の頃


ふと目を覚ます


私は形を持っている


その連続の中にいて


鼓動、デジタル時計の点滅


流れていく夜の冷たい光


誰かの音楽、一秒、二秒


止まっているものは一つもない