日報

あるいは遺書

りゅう

開店休業

融解した


虹の白いところ


液体は街を覆って


街灯を反射して煌めく


開店休業


電車の通る音だけ聴く


身体の中を季節が通り過ぎる


埃の積もった棚


開かない祠


こんな時に音楽があれば


銀河は


ぐるぐる回って遠ざかる


髭を触る


珈琲だってさっきまで熱かったのに


四本肢の獣が眠る


音もなく壊れた時計


読みかけの本を失くす


何がなんだか


選ばなかった方の未来が


しばらく温かい


屋上から世界が見える


煙草の火をくゆらす


息を繰り返す、一つ一つ


深い青と透明に近い青を繰り返す


どうでもいいこの気持ちを


それ以外の言葉で表現したい


覚悟はいらない


ふいに宇宙が全てを飲み込んで


泣いてしまいそうになる