日報

あるいは遺書

りゅう

普通の響き

通り道


つむじ風


丘から見下ろす


手のひらでほどけていく


誰にも何も伝わらない


黙ってハンドルを握ってる


鳥が啼いた


誰の後ろでもきっと流れている歌


もう一回咲くまで


身体の奥深く


覚めては眠る


ゆっくりとなくなっていく


笑ってる


大きくなったらまた会おう


どこに行くのか知らないけど


終わりも始まりもなく


目に映る全てに名前をつけては


退屈しのぎに言葉を紡ぐ


嵐の夜に身を寄せ合う


春の予感が少しだけ降る


子どものように


水たまりを長靴で踏む、勢いよく


明日もまた生きていれば


橙色の朝と夕


飛行機を見上げる


挨拶を繰り返します


普通の日々、普通の響き


気がついた時にはもうそこにいた


何かを言いたい


揺れるカーテン


信じても信じなくても


身体が壊れていくのと同じ速度で現れるでしょう


窓を開けて雨を浴びる


大切な記憶をそっと空に還す