日報

あるいは遺書

りゅう

よく効く子守唄

周回軌道を離れて


記憶の彼方を当てもなく過ぎる


今日は日差しがぬくい


埃っぽい窓際に座って


通り過ぎる人達を眺めた


黙祷


欠片を集めるように


ひとひらの声を


あ、今わかった


そう思った


目を閉じてみる


歌うべき歌はない


カーテンの隙間から


光の柱が立ち昇る


言い訳ばかりしているなと思いながら


言い訳ばかりを並べ立てた


世界地図


3年前の暦


雨の音を聴きに行きたい


じっとしているわけにもいかないし


おそるおそる触れる


あれは何だったの?


作りものの街で


繋いだ手だけが唯一自分と関係あった


よく効く子守唄


水辺に映る風景にずっと憧れている


作っては壊して


8月のことはもう上手く思い出せない


何度も聴いたピアノの音


点と線をやさしく結ぶ


物語を終わらせる


ふと心が溢れそうになった