日報

あるいは遺書

りゅう

洗濯機を回す


欠片を集めて


目を閉じたまま言いたい


浮遊する魂の


白に近い部分に手を伸ばす


優しかった


丁寧にほどく


胸がいっぱいになる


それから空っぽになる


朝ですよ


文字を綴る


セロハンテープで留めるみたいに


じっとここに座って


泳いでいる


耳鳴りに耳を澄ましている


天国にも地獄にも近い場所


切手を貼り忘れて返送されるみたいに


階段の踊り場で立ち止まってしまう


朝ごはん食べ忘れたので


鳥になって、魚になって


光の屈折に触ってみたりして


誰にもわからない


貝殻をあげる


皮膚を通して伝わる


1と0のあいだ、名前を持たない空間


からなしの木が揺れる


ただそこに漂って


悼みと輝きに酔っている