日報

あるいは遺書

りゅう

2021-02-25から1日間の記事一覧

2/25

夜の海は、黒くて大きかった。白と黒しかない世界みたいだった。 波打ち際が生き物のように蠢いて靴を濡らした時に、少しだけ死に近づいて、自分を思い留まらせるものは恐怖だけではないということがなんとなくわかった。 温度とか光が、懐かしくてしょうが…

白魔法

治ってしまった傷を いつまでも庇っている 早く次の町に行きたい さっと風が吹く 戦うために生まれたわけじゃない そう思う 意識の奥底まで 光に包まれて 揺らめく水の模様 胎児の姿勢で 雨を通り過ぎた後 静けさをずっと聴いていた 身体がなくなっていくよ…