日報

あるいは遺書

りゅう

離陸

穴の空いた容れ物で


ほら、どうしようもない


小さい生き物のための音楽


空の青さを初めて知る


初めて自転車に乗る


どんな風に笑うの?


どうやってこける?


水の中で息ができる


風景を切り取る


同じ形


届く位置にある


記憶の継承


時間の波に押し流されて


微かな月の影


あなたがあなたであることに理由はなく


ただ惑星のようだった頃のことを


底から覗き込む


上下は反転する


その中に入っていく


0に近づく


透明に近い痛み


何度も繰り返す


最果ての国で今これを書いている


退屈な夢


滞る空


流れ出さない


今の今の今


記憶が変質する


どうやって確かめればいい


また新しい火


離陸する


捨てるものが何もない


抱きしめたい


声がする方へ