日報

あるいは遺書

りゅう

マンデルブロ集合

不完全な輝き


死んだまま


あるべきところに帰る


数えるみたいに


匂いを含んで


綺麗な夜


手繰り寄せていく


時間がないから


休憩をしよう


遊園地に行こう


まだ見えていない


仄かな粒子


乗って


真実を書き換える


友達になり損ねる


灯りがつく


晴天の空


心臓に痛みが走る


端から端まで


お願いですから


埼玉に行く


ムーミンパーク


丘から見下ろす


ほんの些細な夢


ラベリングしていく


ずっと前からそうだったように


実存は本質に先立つ


誰にもわからない


空中の光


電話をかけて


問いかける


え?


日記帳が風でめくれていく


その声が好きだった


愛しているという状態が


白い膜の刹那に保存されている


まだ恐竜だった頃に


歩道橋を壊す


時間はあるけど


落ち着かない


懐中電灯をつけたり消したりする


まだ射精をしたことがないと思う


憎しみも全て同じ


裏表


跳ね返る音


海辺のカラス


ぬんぽ


朝ごはん食べなくちゃ


そうだ、忘れたくないんだ


二本足でうまく立てない


欠片が浮かぶ


微睡みの中の不自然な明確さ


あの時代の人々はみんなそれを信じた


潰れたランドセル


くだらないまま


美しいまま


肩まで伸びた黒髪


すみませんと思う


雨の日、耳の奥が痛む


静けさについて君にどうやって言葉以外で


そうすればまた分岐路だ


君は家族に会いたいと言う


それを理解しようとする


彷徨う影


でもそれはギャグにもできる


当たり前のままうまく立てない


光を数えている


他にやることがないから


掃除をする


誰も家に来ない


誰も家に来ない


二月が終わる


洗濯物を干す


蝉が鳴きだす


赤い月


考えることをやめた後


窓辺にずっといる


ビニール傘みたいな屋根


構造


やりたい


そうしてじっとしている


小人が出たり入ったりする


匂いを含んで


危ないよ


0に戻ろうとする力


機械のようにいかない


答えから問いが浮き上がる


マンデルブロ集合


叶えたい


年を取りたい


生と死は重なっている