日報

あるいは遺書

りゅう

静寂

鳥が飛んでいくのを見た


0と1の間を


無数の旋律


自由に歌うことができる気違い


またあの時みたいに詩を書きたい


命のぬくみや普通の響き


ただの美しいそれになる


歩道橋


マンションの10階


飛行機の点滅を目で追いかける


雨粒を辿って


記憶が震える時


何もしたくないけどじっとしていられない


あなたはあなたのまま


そっと感情を込める


間違えたまま


歪なまま


迎えにいこう、未来にいこう


星がいなくなる


どうして笑っているの


子どもの頃を思い出す


膜に覆われている


やって来ては去っていく


何が言いたいんだろう


それを探している


潮流


身体の中のうねり


木の葉のざわめき


ずっとここにいたい


窓辺に寄り添う


相槌を打つ


最初からあった言葉


それが開く時


微睡み


知らなくていいこともたくさんある


脳の内側がざらざらとする


でも全部わかっていた


円を描いている


またここに戻ってくる


変化するたびに失うような


心もとない夕日と影


命になりたかった


許されたい


そう言う


好きな場所、好きな歌、好きな笑顔


逆さまに落ちる


神さまはいる


消えそうな火


嵐の夜に


俯いて咲く花


動物園の動物


か弱いクリスタル


勝利の鐘が虚しく響く


未来が不安になる


でもあなたのその苦悩は尊い


頼もしい


声がする、呼んでいる


痛みの中で祈る


シンメトリ


夢から覚めて


何にでもなれる


どこへでも行ける


そんな小さくて柔らかい存在


自分以外の誰かに対して


何かを言いたいと思う


夏が来る


ぬるい風


地球が何周廻ったら


あの意味が分かる


幽霊のように


風景のように流れる


あいしてると呟く


喜びも悲しみも


大きく深く呼吸をする


行かないで


冷たく


音と音の繋がりの中で


自分自身の振動を知る


応えて


猫が横切る


何度目かのさようなら


繰り返す今


西日の射す部屋


胎内の温もりを


忘れてはいない


心臓をそっと近づけて


久しぶり


街は生まれ変わる


傷を癒すように


最低の場所で咲くように


嬉しかった


また会いたかった


ずっと前から知っていたと思う


そのことに気づく


そっと鳴らしてみる


静寂を破る