日報

あるいは遺書

りゅう

潮騒

遠くから


風が吹き抜ける


折り畳まれた今


0の入り口に立って


透明な渦を見る


白い赤ちゃん


太陽に会いたい


宇宙では上手く踊れない


通り雨が通る


古本屋で雨宿り


過ぎていく季節を眺める


たくさんの色


収まりきらず溢れる


カーテンがはためく


車の音


ずっとそこで佇んでいる人


帰り道を失くしたの


微かな鈴の音


カーブミラーの向こう


違う世界


温度差


貝殻を繋ぎ合わせて


もっと柔らかくなるように


考えることはそのままにして


渦巻く糸杉


咲いている


駆けていく女の子


潮騒


一瞬だけその形が分かる


そういう意味だったのかと思う


列車はだんだんと加速して


全部書かずにはいられないからここで終わる


どんな風に知りたい?


窓辺で眠るように知りたい