日報

あるいは遺書

りゅう

合図

それから?


名前を決めることができなかった


その前にいなくなったから


今年もまた強い日差し


何ができる?


白い睫毛


花瓶の水を


幼生が池に波紋を生む


銀河が降る


眼に映る全てが液体のように


不快感を飲み込む


柔らかくなる


途方もない数字


未だ始まってすらいないのに


起承転結のリズム


意味を結びつける力


こんな風に大人になって


橙色をあげたい


素のままでいたい


書くべきことがある


空を見上げる


自分自身の形


手のひらを押し付ける


もう戻らない


落ちて壊れる音


どこかの誰かの歌


全てが見えて全てが聴こえるような


まだひかりだった頃の相槌


卵の殻を内側から破る


景色、渦、夢と現の境


言葉を使って切り分ける


まだ温度だった頃の合図


一体なぜ?


雷がぴかる


君とだけ雨に濡れたい