プリズム
記憶の弦が
たわむ
入る
位置を知らせて
強い輝き
匂いの中に
冷たい
心臓が揺れる
ドットの中に
落とした
白い水の中に
傘を差す
外に出なくちゃ
見つかる前に
嘘をついた時の皮膚が
植物の成長に擬態して
一つ一つ
機械的に灯していこう
何かを見る前に
ずっと待っていたから
寂しい景色
子どもの頃に感じたよりも
ずっと小さく見えた
波、波、波
姿勢を正す
紙飛行機を折る
0と1
言葉を求める
それでも
引き延ばされて
遠ざかる
そうやって理解する
影を包む影を
温度の中の温度
清潔な風が吹く
未来について
関わりのあるもの
埃だけが積もる
いなくなった後に
平気な顔で街を歩く
ガードレール
プリズム
形を失う
それが好き