日報

あるいは遺書

りゅう

去っていく


橙色の夢


石段を上れば


連れて行って


どこにもない


もやもやとした腫瘍を


取り除きたい


踏切で


鳥の声


心臓の感覚


中に入る


耳鳴りを聴く


扉の閉まる音


身体の痛みを誤魔化す


光りと翳りの合間を這いずる


小さな虫のように


また新しい泡


愛おしさ


捨てられない


仕事をしていく


フラッシュバック


こっちを見て


靴がない


地面に絵を描く


捨てられない


一緒に行こう


ブランコが揺れる


もうあんなことは忘れてしまいたい


日が暮れては家に帰る、そんな風に


風が遠のいて


海の味を忘れる


温かくしなくては


死んでしまうから


潜り込んでじっとする


小さな太陽


核融合反応


寝息


時計の針