日報

あるいは遺書

りゅう

墓石

最後に


手を


夕日の影に隠れて


身体が朽ちていくのを


両方から


見比べる


羽ばたいていられたら


子どものように


なりたいのか


深く吸い込む


何かの成分が


元気に


良いことだけ


見つめていたい


帰りたくない


電車は通過して


またあの音だ


それを浴びる


柔らかい雨粒


白さに固執して


丁寧に折り畳んだ


誠実でなくとも構わない


生きているだけで素晴らしい


黙ってテレビを消した


最後までちゃんとできなかった


月の音


撃て


昨日と今日の間


懐かしくして


撫でて


可愛がってもらいたかった


ずるい眼差し


ここを離れよう


地面が揺れて波が攫う


変なウイルスも流行する


人々は口々にかっこいいことを言おうとする


すっきりしたいと思っている


取り返しのつかない挫折


冷たく黒く汚れていく墓石に


手を合わせ跪く


気まぐれに風は吹く


世界は世界のままで


神さまはいてもいなくても勝手で


無意識の領域がだんだん大きくなって


言ってはいけないことを言ってしまう