日報

あるいは遺書

りゅう

日溜りの獣

トンネル


複雑に絡まり合った


その一言で断ち切れる


新しい境目に


気怠く


順番にやっていく


自分以外存在しないんじゃないかとたまに思う


夕暮れる


誰かの足跡


開かれた空に


絵の具のように意識を溶かして


何か大きなものと一つになりたい


そうなりたい


柔らかい水に


大きく吸い込んでは吐き出す


白い


日溜りの獣


何もない


ふつふつと沸いては消えるだけ


眠りの中で


次の眠りに手渡すまで


薄汚れた団地の群れ


渡り鳥が横断する


みんな家に帰る


土埃、風の角度


隠れなきゃ


恐怖と安堵を繰り返し


あなたが孤独であることはあなたがあなたであることの証


暗がりに火を灯す


動けなくなる


子どものままで


急にいなくなってしまう


あと何回その時を通過するんだろう


じっと待っている


誰かの気配


その輪郭をなぞっては


夜の次に朝が来るだけ


退屈しのぎ


嫌いじゃない


すぐに消える音をいつまでも