日報

あるいは遺書

りゅう

何もない

やめないで



窓を飾って


信じていたと言う


夜の公園で話した


言葉にならないことばかりを後悔する


そんな風に見つめていたら


子供のころ好きだった


ゲームのキャラクター


みたいに


何もかも決着をつけて終わらせる


巨大な光が街を包んで


何もない


植物は呼吸をやめ


無機物は逆さまに落ちる


全てが手遅れになった後に


全てが手遅れになったねと


君と言い合いたい


悲しいのか嬉しいのか知らない


血液の流れていく方向をただ眺めている


もしかしたら風が吹いているかもしれない


もしかしたらまた夏がやってくるのかもしれない


生き方を変えなければ


鍵を開けなければ


死に場所を決めなければ


一体これのどこが大丈夫なんだ?


世界は美しくないけれど君は美しいと思う


もうどこにも帰れない


吸い込まれていく、ある一つの方向へ


やっと終わる


身体を失くす


まだそれを知らない


生まれることと同じくらい素敵なことだ


時間が逆流する


しばらくの間その力に身を委ねる


悲しかっただけじゃなかったと思った、ちゃんと


誰かが呼ぶ


意識を失くす


いつもそれを憶えていない


掬いあげた瞬間から


するりと零れ落ちていく