日報

あるいは遺書

りゅう

2020-01-01から1年間の記事一覧

葬送

急に何もかも処分して 時計仕掛けの 白と黒の狭間で 小学生のころから疲れたが口癖だった 鼓膜があるのに 鳥が風を切る時の姿勢 呼吸する街の只中で 雨を乞う 雫を食む 木立のざわめきに連れていかれ 見当識障害 電子の海を回遊 終わってることに気づいてな…

沈黙を奏でる指

柔らかい 崩れ去る白 こんな日を待ってたのかもしれない 昼間からビールでも飲んでへらへらしてたい 細胞と細胞の知覚できない相互作用 鳥だった頃の、魚だった頃の、花だった頃の記憶 痛みや怒りが弾む 洗濯物が風に揺れる わけもなく走り出す小学生 トンネ…

日溜り

神さまを集める 小さな光 好きな耳鳴り 今日も野菜スープを飲んで カーテンが影を揺らす ここにいることは正しい いつか宇宙船がやってきて すべてを終わりにする 愛に覚悟が必要だなんて だけど取り急ぎ生活に強度が必要 夜よ、ギターを鳴らせ 橙色から深い…

飛行機

綺麗にしたい、今からでも 澄んだ秋の空 透明な魚 沈黙の匂いを嗅いで お墓参り 冷たさを抱きすくめる 心臓の鼓動 不安の濃度が高まる前に でも最初の一行が書けない 気づくと見知らぬ場所にいる できない 改札口から吐き出される人々を眺める 風が頬を撫で…

冷たい意味

自分が本当に全然大したことない存在だったとしても それをやり続けろ なんだか懐かしい夏の映画 日々は続くのか 曖昧に相槌を打った 身体が疲れている 何かに憑かれている 焦らないで 傷だらけの家具 ウユニ塩湖絶対行こう 誰かが戦争を始めてあのブロック…

野菜スープ

脳みそが固まる 朝から霧雨 ハムエッグ 今日も起きた やっと自由になれたのに 可愛い影 パソコンがミーンと言う ただ目の前のことをやればいいのに 機械的に そばにいてもいないよ 静かにまた目を閉じる コスモス畑で両手を広げる 理由はないけど抱きしめた…

コスモス畑で

いつまでも夏とか言ってる 歯磨き上手じゃない 本を読む 人形の髪が伸びる 真実はいつも一つじゃない 断面図 尿が飛び散りすぎる 重ね着 キーボードの隙間に積もった埃 永遠を信じますか? 見えないものを見ようとした すぐに謝る癖がついている 石段を上る …

ジグソーパズル、パラレルワールド、ロールシャッハテスト

森の奥で、水たまりの底で 虹の裏側で出逢う 夜中に目覚めて 冷えた身体 ジグソーパズルでしかない 坂道を自転車で下る妄想 それから、細い雨 音階が好き 透明な気持ち ほとんど記憶には残らない 浮かぶ パラレルワールド 自動販売機の灯り 狂犬病の犬 環に…

脳の星座に光を

ねえ、夜を 残像みたいなやつしか見えない それでも言葉を探し続けていたいのです 屋上から落ちる 点滅 脳の星座に光を 公園に行こう 人々は移動し続ける 優しく毛布でくるんであげて 湿った階段 季節外れの花 怪我をしたすずめ どこまでも、後ろに下がり続…

途中

好きな配列の音を探して あんなに楽しく遊んで 金色の日溜り 作り物の記憶 曖昧な字を書こう 何がどうなってもいいから 組み替えて 組み込んで 雲のように溶けてなくなる 影は時計回り まばたきを繰り返す ここに立っている 窓が白い季節 不自然でしょうか …

ボール

トンネルの先は海 春とか秋が好き過ごしやすいから 晴れたらキャッチボールしよう公園で 子供がなんか言ってる お父さん、お母さん、そして 暗くて大きな穴の底で 生と死が混ざり合うのを見る 静脈と動脈の波に乗る 帰ろうよ 想像力の続く限り 逆さまの都市…

橙色から深い青へ

夜の際で 揺らめく誰かの影 迷子のよその子 みなしごのゆりかご 分け合うものなんて一つもないのに またあの香り まあどうでもいいか 季節とか記憶を楽しめたら 心臓に手を当てる 簡単には死なないようにしないと ペダルを踏むと音が変わる機械とか買う あと…

夜のほとり

秘密の痛み 開け、踊れ 彼方に 白い沈黙 あの香り もういない人の花 君だけがまっすぐに映る鏡 人差し指を包む 底へ招く 点滅 意味と意味の交錯 柔らかいまま、そのまま 受け入れていく 大丈夫 冷たいまぶた 最初の勢いだけで 飛び越えてしまった 青い、高い…

知らない国で行き先を決めずに列車に乗りたい

日溜り 咲く 雨が またたいたあと 沈黙を 夕焼け どうして? 静かに息をする 夜を数えている どこにも行けずにいる 目を覚ましては 眠る 彼方から 奏でる 透明な嘘 身体を失くして 会いに行きたい 輪郭がほどけて 虹の輪 誰もいない、誰も知らない 星が廻る …

違法建築

ろくなニュースがない 活字を貪る 地軸が歪んでいる 言葉でありさえすればそれでいい 光のように 内側の竜巻 犬を散歩させなくては 海岸線に沿って 吹き抜けていく風が今日は見えない まぶたの裏の模様 違法建築 意識の在り方すら定められ ろくなニュースが…

心の形

取り残された 魂だけ それが好き 一番星 今日も暮れていく 季節の狭間に立っている 覚めたまま 閉じていく 祈りを食べて こめかみに銃を 不安と吐き気 バラバラの認識を再構成する どこにもいない 誰も知らない まだ君に出会う前の 日々のひび割れにそっと …

光に濡れて

言いたいことは他に何かあるか 今ここにあるもの、ないもの 汚されたい 風に煽られて 繋ぎ止めるもの いつか、いつまでも パズルのピースを探す そんな自分を上空から見下ろす 言葉は何の役にも立たない 0から虚無までの距離 信じていたものが心の中でゆっく…

夏は終わった

心臓が騒ぐ 静かな祝祭 約束はほどけた 熱を保つ 耳鳴りが鳴りやまない 湖に映る月 瓦礫の下で 夜と朝の交わるところで 金木犀の香り、立ち止まる 写真に残した 平行世界のどこかではきっと 都市の残骸 さようなら 列車は行く 不規則な揺れに身を委ねながら …

古い時計のたてる音 混ざり合うものの中心にいる 欲動をしっかりと感じる 意識に意識を向ける 落下 列車は淡々と進み続ける 空と繋がれたら 待っていてくれたら 巡る、廻る、散らかる どうでもいいなんて言わないで 狂うのは怖くない 身体に印を 窓を開けて …

皮膚の記憶

何かが入ってきて 支配する 満ちる 面影を追っている 知らない間に また終わってまた始まるの? 影は時計回り 壊れた都市 一番大切なものはなに? 言葉や声が届くところまで行こう 抱きしめる 意思表示 森のざわめき 後ろ姿 ばいばい、と告げられる 因果関係…

ふるえるかがやき

求める 太陽の方へ 迷子の子供、うろうろ 小さな約束 鍵 ゆっくりと、ゆっくりと 身体は従う 君の旅は続く どうしたの? 夢と現実の境目をまたぐ どうしたいの? 遥か遠くから 正、負、二つの環 食べて 金色の風の季節 散り散りになった祈り 街は呼吸する 海…

戻る お湯 不思議な体 生きるためにはワクチンが必要 石のように固まる 魂の羽根 匂いでわかる きらきらと輝く 形態が変化して 神聖な煙 中央に配置する 波打つ人魚 右と左が均一ではない 何故なら始まりがあって終わりがあるから 触れて震える 空に落ちてい…

わたしのために残された空白

かつてそこにあった 新しい 懐かしい 神さまの子どもたち 祀る 意味を重ねる 夜を泳ぐ 楽しかったね 耳をすまして 形が分かり始める 0と1の狭間に立って どうしたい? このまま あなたはあなたのままで どのようなルールも必要じゃない、今は 舟を浮かべる …

ここじゃないどこか

祈りの声 透きとおった 天使にも悪魔にもなる 可変的な柔軟な存在 きらきらと光る欠片 君は拾う 夏の熱さをたくさん吸った砂 飛び交う 目に見えない蝶 何かの記号を形作る 塔を建てる 光を遮って影が生まれる わたしはそれを正しいと思う わたしは誰? 白と…

海の歌

塔の上から 次へ 揺れに合わせて 温かな彼方の音 くじらが空を泳ぐ 見覚えのある景色 そっと触れる 泡のように 小さな光 あなたが大切 誰も知らない孤独 影と話す もう一つの世界 心臓へと繋ぐ 真っ赤な血 まるででたらめな 旅に出ることに決めた 誰かの悲し…

物語

含んでいる 森は蠢く 沈黙が交わる 風景の連続は変化していく 白い朝 感情の片割れを見つけて 泳ぐ もう一つのパズルのピース 探しに行かなくちゃ 迎えに行かなくちゃ 9歳の頃から そのまま保存されていた しんと深い青、灼けつくような赤 変えられていく 誰…

対話

散り散りになった 悲しみの膜 冷たい空気にさらされて 静けさに耳を澄ます 昨日・今日・明日 未知は続く 風景の連続 風船は飛んでいった 赤青白 泡のように 惑星の運航 行ったり来たり 季節の変わり目 くすんだ色の写真 柔らかく 海に抱かれる 記憶を奏でる …

灰色の世界で虹を探す

間違えた冒険 硝子の破片 小さな約束を解く 空中で分解する 雲が流れていく 気づかない間に粒子は入れ替わる 灰色の世界で虹を探すのは楽しい もっと歩こう その先へ 言葉もなく 扉を開く 懐かしい未来 交換する 枝が分かれる 陰影に体を浸して 幽霊の気持ち…

迷う 霧の中 冷たい水の底 開けてはいけない扉 何故、わたしは今 腐った肉 澱んだ空気 窓を開けなくては 埃だけが積もる 時空が柔らかく曲がる ここはどこでもない場所 嘔吐する 未知の生命が繁殖する 放射線がわたしの内側を焼く 完全じゃない 忘れている …

風青に乗って

風青に乗って 読むように 書いていたい 奥へ奥へ落ちる落ちる 夜行列車 誰かに何かを 振動に耳を澄ませて 窓の外 流れていく 幽霊のように 密度が0に近づいて よだかの星へと 許す、緩める ほどけた糸 暗い海の底を 花びらのように 魚のように ひろがる 抱き…