日報

あるいは遺書

りゅう

橙色から深い青へ

夜の際で


揺らめく誰かの影


迷子のよその子


みなしごのゆりかご


分け合うものなんて一つもないのに


またあの香り


まあどうでもいいか


季節とか記憶を楽しめたら


心臓に手を当てる


簡単には死なないようにしないと


ペダルを踏むと音が変わる機械とか買う


あとはキラキラのシールとか


凛にあげたい


川は流れる


いつも同じ方向に


あなたの羽根が開いた時


眠りの中でその声を聴いた気がする


全身を巡る血流と少しだけ重なり合う瞬間がある


ねえ


何でもないけど何でもあるよ


痛みを光に転換してきた


俺は間違っているか?


粉々に砕かれた硝子を握りしめる


夢の中で始まって夢の中で終わるようなもの


なんとなく風が吹く


虹色にその影を浸して


電線は揺れる


一角獣は駆けだして


鳩が一斉に飛び立つ


コーヒーが冷めないうちに


風船をみんな空に落としたら


クリーム色のバスを待ってる子ども


世界は君の味方


帰ろう、誰も知らない場所に


多くのものを失う


形や姿が入れ替わる


橙色から深い青へ


導かれていく