日報

あるいは遺書

りゅう

ボール

トンネルの先は海


春とか秋が好き過ごしやすいから


晴れたらキャッチボールしよう公園で


子供がなんか言ってる


お父さん、お母さん、そして


暗くて大きな穴の底で


生と死が混ざり合うのを見る


静脈と動脈の波に乗る


帰ろうよ


想像力の続く限り


逆さまの都市、光の屈折


崩れ落ちる瞬間の映像


誰とも上手く話せない


自分の気持ちがよくわからない


影と手を繋いで


できるだけ温かい方へ


逃げてきたの?


祈りは踊り


助けてあげられたらいいのに


染み渡る、実感する


時間は本当は存在しなかった


頼りない天使


満ちる音、欠ける音


もっともっと弱くなりたいと思う


ペットボトルについた水滴


網膜の奥の方で滲んだ風景


蝶の飛び方を真似て


寄る辺なく


踏切が降りる


どんなに遠く離れても、とか言いたい


大丈夫だよって言える大人になりたい


モノクロの季節が日々を飲み込んで


コーヒーの湯気が吸い込まれるのをただ見ている


信じたいものを信じればいいのに


文字を目で追う


あなたの人生をもう一度体験する


忘れたくない記憶


喜びと悲しみ


坂道を転がっていくボールみたいに