日報

あるいは遺書

りゅう

灰色の世界で虹を探す

間違えた冒険


硝子の破片


小さな約束を解く


空中で分解する


雲が流れていく


気づかない間に粒子は入れ替わる


灰色の世界で虹を探すのは楽しい


もっと歩こう


その先へ


言葉もなく


扉を開く


懐かしい未来


交換する


枝が分かれる


陰影に体を浸して


幽霊の気持ちが少しわかるような気がする


透明な風が鳴る


通り過ぎていくものの気配


回る、回る


エネルギーを放射する


あの匂い


安心感、充足感


もっと遠くまで行こう


構わない


いつか宇宙だって消える


吐息


淡く、優しく


感覚器官を震わせる


パレットの上に花びらが落ちる


葉脈を水滴が伝う


オルゴールの波長に託す


窓を開けて


通りを行き交う人の姿を何時間もずっと眺めていた


影や形


大気の揺らぎ


平衡感覚を取り戻す


また何かを始めたいと思う


浮かんでは消える泡のように


透きとおる


見ている


軽くなる


朝、昼、夜、夢


日々のひび割れ


手を伸ばせばきっと届く、この距離なら


知る


良い?悪い?どちらでもない?


未知は続く


水たまりに映る街


あなたはあなた以外にはなれない


世界は呼応する


要素の一部となって


雨や光を降らせる