日報

あるいは遺書

りゅう

光に濡れて

言いたいことは他に何かあるか


今ここにあるもの、ないもの


汚されたい


風に煽られて


繋ぎ止めるもの


いつか、いつまでも


パズルのピースを探す


そんな自分を上空から見下ろす


言葉は何の役にも立たない


0から虚無までの距離


信じていたものが心の中でゆっくりとほどけていく


みんな最後はいなくなってしまう


自由に憧れながら不自由を愛している


その固有の周波数を愛している


あなたはわたしの壁


宙吊りに浮かぶ


ふわふわ


ファンタの泡


夏を再生する


優しく緑色に輝く


静かな祝祭


もう戻れないとしても


もう戻れないのならば


星の点滅に思いを馳せるような時間


共に


新しい生命を受け取る


ここにいてもいいのだと


日溜りの中で


光に濡れて


息をしている、と思う


今この瞬間という記憶を奏でる


それから彼らがどうなったのか誰も知らない


私たちは傷の入り口に立って


ゆっくりと影が伸びていくのを見送る


鮮やかな赤い花の香り


火を灯せ


差別や抑圧がより少ない世界であることを望む


車輪は回り続ける


迎えに行かなくちゃ


粉々になった都市の上で


帰るべき場所に帰るだけ


冷たくて温かい雨