日報

あるいは遺書

りゅう

違法建築

ろくなニュースがない


活字を貪る


地軸が歪んでいる


言葉でありさえすればそれでいい


光のように


内側の竜巻


犬を散歩させなくては


海岸線に沿って


吹き抜けていく風が今日は見えない


まぶたの裏の模様


違法建築


意識の在り方すら定められ


ろくなニュースが何もない


目覚めても身体が痛い


見失ったのか


冷たい霧雨


やればできるのに


テーブルの上の水滴で絵を描く


ほどけていけばいい


灰色の世界で虹を探す


壁を壊すのには時間がかかる


あなたが思うほど悪いことばかりを積み重ねてきたわけではない


濁った羊水を何度も追い焚きする


首の骨を折って


見えないものが見えた


また何かやりたいと思う


続かなくても


すぐ寝ちゃっても


手紙を書かなくちゃ


迎えに行かなくちゃ


同じ傘の下で


回る、回る、さよなら


そんな日々


裸の木の枝に引っかかった季節の切れ端が


会ったこともない人の優しい言葉が


心の湖を染める


小さな沈黙を奏でて


驚きと共に


自分を見つめる


そんな日々