日報

あるいは遺書

りゅう

知らない国で行き先を決めずに列車に乗りたい

日溜り


咲く


雨が


またたいたあと


沈黙を


夕焼け


どうして?


静かに息をする


夜を数えている


どこにも行けずにいる


目を覚ましては


眠る


彼方から


奏でる


透明な嘘


身体を失くして


会いに行きたい


輪郭がほどけて


虹の輪


誰もいない、誰も知らない


星が廻る


呼んでいるのに


粒子の震え


季節の変わり目


キリエ


記憶が染まる


少しだけそわそわする


そして忘れる


開いてもいいの?


ぱっくり割れた傷の入り口


不安定な喜び


海に抱かれて


一つになる感覚


現実と夢の境目はない


揺らめく影


永遠に続く


ずっとさようなら


涙が落ちる


はらはら


花びらのように


灼けつく温もり


まだ間に合うだろうか


悼みと光


人差し指


知らない国で行き先を決めずに列車に乗りたい


戻れない方へ


コーヒーを飲んで


好きな周波数


もっと遠くへ


悲しみを丁寧に包む


普通の生活


音もなく落とした


それはやってくる


通過していく


白い雨


今日もなんとか


遷ろう


ずっと昔に信じていたものの温度


とりとめのない思考


希望・絶望


果てまで