日報

あるいは遺書

りゅう

奇妙な白いシャツを着て

 

地面に落ちた影を見ている

 

ここから意味を引き出そうとしている

 

見るというのはどういうことか

 

深い感覚

 

ドブ臭い川が流れる

 

必要なら何でも美しいと思える

 

君には詩が必要だ

 

花が散ったり

 

絵が飾られていたりする

 

街は生まれ変わっていく

 

季節がゆったり絡みついて

 

だんだん眠くなっていく

 

魂と身体の結びつきが弱まる

 

記憶がねじれて

 

何も信じられない

 

信じる必要もない

 

怒りの残滓

 

海の色のカーテンを閉めて

 

抱きしめる

 

ただの影

 

祠に手を合わせるように

 

幻の動物の影

 

滑っていく

 

夢を見るための部屋

 

夕焼けが恋しくなる

 

私は私の形を失う

 

 

誰にも教わってないのに

 

歩いたり喋れる

 

やかんが沸騰する音

 

どこかに荷物を置き忘れてきたような感じがする

 

限定的なライト

 

強い魔法、弱い魔法

 

小さく折りたたんだ手紙

 

こっちにこないで

 

揺れる茎

 

運命が分かたれていく

 

小学生の歓声がきこえる

 

全てを0にするのは簡単だ

 

女の子が必ずいい匂いがするというわけではない

 

繁華街に人が多い

 

座ったことない場所に座ってみたい

 

今日はどんな一日だった?

 

申し分なく過ぎ去っていく

 

眠ってしまいそうなほど

 

掴まって、最果て

 

膨らみに惹かれる

 

大丈夫?

 

わくわくしている

 

またあの場所で本を読みたい

 

夕暮れを見ることなく今日が終わる

 

わたしはどこかへ消えていく

 

ただ雨の音を聴くみたいに

 

天使の存在を信じている

 

だから見る

 

見ることができる

 

おれはおれの身体を

 

ただ行きたい方へ行かせる

 

標識は煤で汚れて

 

蔦が絡まった家が崩れかけている

 

脳内物質

 

いやだ、と言う

 

そうだね、と言う

 

鳥が飛んでいく

 

そんなこと考える前から分かる

 

美しい人

 

匂いも声も

 

何もかも通過して

 

痛かったことも忘れちゃう

 

海の深さも知らず

 

月の裏側も見ずに

 

五月の光を楽しみにしている

 

君がくれたメールを読み返す

 

それだけでいい

 

わざわざ悲しいふりをしなくてもいい

 

車輪は廻る

 

孤独を味わう