2023-02-09 ■ 気がついたら夜が降りてきて ぼくは肌をなくして 星の輝きが青く 何にでもなれると思った 実際そう思った時にはもう何かになっていた でも思い出せない 何を願ったのか 列車が過ぎていく はやすぎて追いつけない 100年も前に書かれた文章が ゆっくりと胸の奥に浸透していく 音もなく電線が揺れる このままいなくなりたい どんな言葉も残さずに 空や海のように無表情で 大切な人の笑顔 何か音があったはずなのに 逆さまになっていることに気づかない 手のひらが乾いていく 風に翼を持っていかれる 委ねることについて その景色について