日報

あるいは遺書

りゅう

気がついたら夜が降りてきて

 

ぼくは肌をなくして

 

星の輝きが青く

 

何にでもなれると思った

 

実際そう思った時にはもう何かになっていた

 

でも思い出せない

 

何を願ったのか

 

列車が過ぎていく

 

はやすぎて追いつけない

 

100年も前に書かれた文章が

 

ゆっくりと胸の奥に浸透していく

 

音もなく電線が揺れる

 

このままいなくなりたい

 

どんな言葉も残さずに

 

空や海のように無表情で

 

大切な人の笑顔

 

何か音があったはずなのに

 

逆さまになっていることに気づかない

 

手のひらが乾いていく

 

風に翼を持っていかれる

 

委ねることについて

 

その景色について