日報

あるいは遺書

りゅう

駆け抜ける

 

小さくなる

 

息を吐く

 

白い

 

冬だ

 

あ、と言う

 

みんな忘れる

 

確かにここにいた

 

フェンスで区切られる

 

背の高い草が揺れてる

 

車、風、手を伸ばす

 

病気が治ったら

 

なんてすぐどうでもよくなるけど

 

また脳が沸騰するから

 

身を任せている

 

子どもの俺はどこまでも行く

 

流れる音楽とともに

 

風船

 

どこまでも消える

 

過去も未来も全部あるような気がする

 

文字が読めなくなっても

 

声が聞こえなくなっても

 

指に触れなくなっても

 

ドキドキする

 

ドキドキしてた

 

あの時

 

好きだったか嫌だったかわすれた

 

眺める

 

俺は今俺じゃない気がする

 

それでもいい

 

猫が逃げる