■
全部
全部手に入れたい
お前はもうここには来れない
お前が誰かに過ぎなかった時
宇宙には何もなかった
病院の白が眩しかった
水を飲むしかない
人を憎むことしか出来ない
世界がグロテスクに歪んでいるのは
俺が全部悪いのだと思う
深呼吸をして
弛緩の中に身を浸す
子どもでも大人でもなく赤ちゃん
でもそれは誰もがそうである気がした
生まれたくなかった は
生まれてきてよかった によって定義される
丁寧にリボンを結んで
プレゼントしてあげる
君の驚く顔が見たい
ただそばにいる感じが愛しい
追いついて追い越して
電車がどこまでも逃げていく
水は天へと還って
君は一番大切なことを見失ったまま
鳥を指差して
このままでよかった
何もない
終わらなければならない
前後の空白の中で忘れてしまう
俺は君が羨ましかった
もっとたくさんのことを言葉で言いたいと思った