日報

あるいは遺書

りゅう

全部

 

全部手に入れたい

 

お前はもうここには来れない

 

お前が誰かに過ぎなかった時

 

宇宙には何もなかった

 

病院の白が眩しかった

 

水を飲むしかない

 

人を憎むことしか出来ない

 

世界がグロテスクに歪んでいるのは

 

俺が全部悪いのだと思う

 

深呼吸をして

 

弛緩の中に身を浸す

 

子どもでも大人でもなく赤ちゃん

 

でもそれは誰もがそうである気がした

 

生まれたくなかった は

 

生まれてきてよかった によって定義される

 

丁寧にリボンを結んで

 

プレゼントしてあげる

 

君の驚く顔が見たい

 

ただそばにいる感じが愛しい

 

追いついて追い越して

 

電車がどこまでも逃げていく

 

水は天へと還って

 

君は一番大切なことを見失ったまま

 

鳥を指差して

 

このままでよかった

 

何もない

 

終わらなければならない

 

前後の空白の中で忘れてしまう

 

俺は君が羨ましかった

 

もっとたくさんのことを言葉で言いたいと思った