日報

あるいは遺書

りゅう

時間の流れ方が変わる時がある


夏の光を浴びて


透明な流れに細胞を浸せば


全てのものが遠ざかって


音や光


それは心地いい


こっちに来て


屋上から見下ろせば


煙草に火をつける


はしゃぎ疲れて眠る


手に入れた分だけ手離したい


柔らかい感触


白に近い淡い炎


0と1がもつれ合う


手を重ね合う


どうにでもなればいい


感覚が変容していく


待ちわびた


入口、出口


自分自身の影が導く


交差点を渡って


晴れ渡った空


誰もいない街、街、街


右も左も前も後ろもなく


まるで最初の生き物のように


その中に入る


気持ちが良いのか悪いのか


それすらもまだわからない


けれど何もないではなく何かある


形を持たない波


その風景を覚えては忘れる


繰り返し


手を伸ばしてみる


幼い子どもが見つめる


自分以外の誰かだ


見ると見られる


呼ぶと呼ばれる


円環を成す


名前を知りたいと思う


太陽の欠片をほどいて


内へお入り