日報

あるいは遺書

りゅう

波動関数

どこにいるの?


窓の灯り


小さな雨粒が


代わる代わる


やって来ては去っていく


形を失う感覚


何度も反復する


触れた指先


細胞を修復する


円環を成す


太陽の欠片を食べる


不完全なまま結ぶ


愛と呼ばれたもの


増えた分だけ壊れていく


次の角を左に曲がる


その次の角も左に


自動販売機の灯り


誰かの記憶が混在する


まだ諦めたくない


蛙の声


ぬかるみの中で息をする


踏切を渡って


高架下をくぐる


シャッターを下ろした古本屋


街路樹が厳かにそよぐ


墓の街


誰かを呼ぶ


そこで元に戻る


不安定なリズム


波動関数


あなたとは会ったことがある


ここではないどこか


神さまの子どもたち


今はその途中