日報

あるいは遺書

りゅう

おじいちゃんの頃から

触れない


すり抜けていく


風の街


風景が恋しい


冷たい窓辺


丘の上から見下ろす


木漏れ日が揺れる


今なら全部わかるような気がする


影が落ちる


空が落ちてくる


今ここにあるから


シャボン玉の中で


貝殻をあげる


瞬きをする


スピード


愛と呼ばれたもの


仄かな炎


前も後ろもなく


道だと思っていたものは


もう未知じゃない


夕暮れの中で


夕暮れを呼吸する


死ななければいけなかった


でもそう考えてはいない


まだ浮かんでくる


正解も善悪もあり得ない


タロットみたいに


言葉が足りなかったこと


後悔を繰り返す


子どもの頃から


おじいちゃんの頃から


繋がっている


扉を開く


あの向こう側へ


それだけを思って