日報

あるいは遺書

りゅう

体験

やがて元の場所に戻る


タイムスリップ


自動的に


車が通り過ぎる音


誰も知らない悪魔


賑やかな通りを抜けて


橋の上から見下ろせば


川が流れる


光の反射


渦を巻く波紋


缶コーヒーと煙草と花


小さな声に導かれるように


不思議なキャッチボールを続ける


そもそも君が誰か知らない


空を飛ぶこともできるのかもしれない


顔をくしゃっとして笑う


小石を蹴りながら家に帰る


0と1の追いかけっこ


やまびこ効果


影と光は影響を与え合う


波紋の継ぎ接ぎ


季節の呼び声


新しいシャツに袖を通す


どこにも帰れないとき


どこにでも行ける


世界中の本を読みたい


空と海の境目でコーヒーを飲む


結局は失うのに


今この時を体験するように


あの日もこれからも体験する


同時多発的に


心の中の幽霊が質量を持つ


ゆっくりと目を開ける


閉じていたものが開く