日報

あるいは遺書

りゅう

優しい鏡

体温に近づいていく


綺麗な石を集める


宇宙に抱きしめられて


寝ても覚めても


そのことばかりを思い出す


まだ名前のない塊だった頃


季節は新しかった


それは小さな祈り


誰にも見つけてもらえずに


雨粒を見ている


穴を穿つ


靴ひもはほどけたまま


それでも行かなきゃ


存在した理由を集める


デジタル時計の点滅


鳥が鳴く


またここにいる


天井を見ている


命の残骸が床を埋めていく


埃が溜まっている


咳をする


がたんごとん


切り替わる景色


間違いだと思ってた


うまく伝えられなくて


無駄に言葉を費やす


それからゆっくりと気づく


誰に謝っているの?


どんな天気でも


あなたはただ佇む


近づけば近づくほど遠ざかる


雨が上がれば夕暮れに虹がかかって


少しだけ驚いてみたりもする