日報

あるいは遺書

りゅう

物語の終わり

耳鳴りがする


数えきれない


生きていない手


夜を越えてきた


車輪の軋む音


理解できない法則で


教室の窓から落ちる


しゃぼん玉


柔らかい子ども


自分の中に何人もいて


背中が曲がっていく


どこにも行けないという


眠ればいいのに


動いてるのがさざめく


思い出すことを


片端から書いていく


痛みと光に酔って


あくびの涙


運ばれていく感覚


失くしたわけじゃない


忘れてただけ


透明な翼にくるまって


帰り道を帰る


窓ガラス反射する


臓器が働く


自分で自分を傷つけている


知らず知らず


物語の終わり


誰もいないところ


川の水冷たい


ずっと旅をしてきた


それらに意味はない


生まれたから生きる


二重螺旋上


火をつける


祈るように


沈みながら


久しぶり