日報

あるいは遺書

りゅう

夜の風


揺られる


くだらなくて大切なこと


いつまでも


渦を巻く


何もない


運ばれていく


夜汽車の音


ほどけていく


記憶との邂逅


ほんのわずかな愛しさが


変えてしまう


過去から未来から過去へ


点と線、点滅、千の声


どこに行きたい?


導いて


白い光を見る


指先で繋がる


誰もが鼓動を持っている


濃淡を撫ぜる


髪を結う


誰もいなくなる


水を飲む


忘れたことはない


強く思う


光の粒を踏む


またここに戻ってくる


温かな孤独


海月のようにたゆたう


水たまりに映る月


でも今はただこうしていることが楽しい


影のように、光のように


静けさを呼吸する


指し示すものの存在に気付く


生まれては消える、淡く描く


沈黙を使って話す


まだ何者でもない間に


あの音を憶えている


糸を吐く


風景に絡みつく


何かを意味する前に


絆を結ぶ


逆さになる


重力を忘れる


空洞を慈しむ


欠片を探そう


身体を重ねる


水面に波紋が広がる


やってくる、去っていく


寄せては返す


誰かが俺のことを思い出したりするのかな


また一週間をやっていく


萩野竜侑を呼ぶ


あの言語化されない約束は


まだここにある


間違ったまま


バラバラになる感覚


取り返しのつかないことをしたい


目を閉じる


全身を包むスピードを感じる


宇宙の中を漂う


廻る


意識の裏側で柔らかく壊れていくもの


閉園した遊園地に忍び込んで


神様を交換しよう


扉が開く、扉が閉まる


もう戻れない


シャンプーの匂い


雨粒


君は一体だれ?


一対の眼差し