日報

あるいは遺書

りゅう

白く

夜の翼


淡く淡く


流れ出す


ぼんやりとして


無力になる


紡ぎ出す


透明になりたい


何のために


静かに


悲しみと金縛り


いつかいなくなる


記憶をほどいて


通り過ぎていく


欠片をあつめて


季節をわたって


ピアノのように


夏の下り坂



ここにいればどうでもよくなる


窓際の陽射しに照らされて


埃がきらきらと光る


カーテンの揺れ方に合わせて


ゆっくりと呼吸をする


匂いを探している


常に、永遠に


体を失くして


夢をこぼしても


意味がわからなくても


とても小さな


友だちの声


もうそろそろ行かなくちゃ


踏切の音


朝と夜、気づかずに


並木道、ざわざわ


昆虫の足音


言葉を手放す


完全な環


柔らかな眼差し


愛されたかった


遠く、遠く


降り積もる


折り重なる


強く、弱く


行ったり来たりする


太陽の周り


走馬灯みたいに


すべてが大切に思える


どうやって伝えたらいいかわからない


ここにいるのに


色の洪水


鉛筆で描く


人差し指


輪郭を明確にして


揺れながら


声の形


もっと見たい


会いに行く


もう何も考えない


ただ自転車を漕いでる


白く、白く


終わりまで


風を受けて