日報

あるいは遺書

りゅう

君のための世界

大切な光


誰も傷つけることはできない


窓の外を見てる


みんな通り過ぎていく


サイレンの音が鳴って


街は変化し続ける


魂というものがあるとするならば


多分過去と未来はちゃんと繋がっている


校庭に響く子供たちの声


ぼくはぼくであることを一時的にやめて


祈る


温かい部屋、コーヒーの湯気、


時計の針、誰かの眼差し、


カレンダーの印、さっき見た夢の名残り、


今の地球の位置を肌で知る


君の上に柔らかな陽が射しますように


君が喜びを受け入れられますように


君の強固な意志を天使が抱きしめる


えらいね、よくがんばったね、


君はいい子


最初に見た風景を君は憶えてる?


星巡りの旋律が教えてくれる


温かな血をこの空に溶かして


夜がゆっくりと染み込んでくる


朽ち果てた船に乗って


ただ流されるままに揺られている


小さな生き物たち


君のための世界


おかえり


今日は冷えるから温かくして


おやすみなさい


ご自愛ください


さて、いずれにせよ公転は続く


青い夜をめいっぱい呼吸する


いなくなった人の数を数えても終わりがないけど


白く記憶していつかまた会いたい


静けさの底の底


虹の彼方


おやすみなさい


ご自愛ください