日報

あるいは遺書

りゅう

着陸

最果ての風景


蠢く線


不安と期待が入り混じる


空と海の輝き


閉じ込めてはおけない


着陸する


強い日差し、砂埃


無数の色の生活


その中に入って


わざと一緒に揺れている


透明な風


勇敢な魂


上下も左右もなく


音楽に身体を揺らす


遠い窓辺


薄暗い影


編み物をする女の子


懐かしい珈琲の香り


まだ朝のやわらかい時間


光の振動をただじっと見る


優しい約束


便りが届く


もうすぐ行かなくちゃ


季節が変わろうとしている


境目が溶け合う


さざ波が鼓膜を揺らす


いつの間にか


膜の、皮膚の内側で


ようこそ赤ちゃん


丸くなっている


はっきりと形がわかる


過ぎ去ったことを何もかも忘れて


これから起こることもまだ知らない


そっと指先に触れてみる


この星の回転に合わせて


眠っては目覚める


今に驚きが君を包む

 

交互

分かち合う


振動を見る


静けさを感じる練習


届こうとしている


誰もいない寺院


この光の射し方で


踊る数列


確かめるように


手離すように


音楽はそこにある


輝き


人差し指


子どもの影


合図を送る


空の向こう側


膜が剥がれる


未来から吹く風


お前の皮膚に触れる


一つであって一つでない


複合的な感覚


目を覚ます


教える


彼方からここまで


矢のように過ぎ去る


それは形を持たないから


温かくありますように


トンネルを抜ける


また新しい日々、何度も何度も


おばあちゃんの皺くちゃの手が数える


オルゴールの手紙


届いたよ


夏の湖の匂い


右足と左足を交互に出す


何も思わずに


どこにも行かずに

 

広く


木の葉が揺れる


髪飾り


蝋燭の灯り


丘から見下ろせば


半分だけくっきりとする


影のように


数式を解く


あなたの中のわたし


交通事故で死んだ


まだ足りないのに


順番に押していく


手術台の上で


スキップをする


見たくないもの、聞きたくないこと


縛られていたい


ペンを持つ


喜びの暇


ムカつかない?


物語が進行する


母親の腹の中で


歯並びのことを言われる


ゆっくり行こう


探している最中


光が未知ている


お金がないと何も買えない


他のものは何もない


風景を諦めたくない


信じられないスピードで


辺りはもうすっかり夜で


大切なことを忘れてしまう


傷つけた分傷つく


お終い


そうしてまたここにある