日報

あるいは遺書

りゅう

何もかも失くした男

 

地下鉄のホームで

 

鳥になる夢を見ている

 

疲労が蓄積

 

水銀を飲む

 

まだ遠い

 

行かねばならない

 

交通事故で死んだ猫

 

息が白い

 

血が赤い

 

風が吹き始める

 

どうする?

 

屋上から見下ろす

 

星のあかり、ビルのあかり

 

雨が水たまりを打つ模様

 

足りない

 

時間が、思いが

 

行ったり来たりする亡霊

 

求められた言葉を言い続ける

 

誰も何も求めちゃいない

 

映画のように台無しになり

 

音楽のように壊れ始める

 

手を握っていて