日報

あるいは遺書

りゅう

朝起きたら薄っすら悲しい

 

身体が地球に馴染んでいない

 

あくびをする

 

カーテンから漏れる光が

 

強度を持ったガラスが

 

電子機器がうなる

 

最新のニュースが目に飛び込み

 

それについて何かを思ったが忘れた

 

久しく会っていない友人に会いたい

 

フレンチトーストを食べたい

 

遠い国では全然違ったわたしたちがいる

 

意思を持った不可思議な球体の上で

 

生成しては消滅する菌

 

五本の指を絡ませ

 

電線が空に交差していくのを見ていた

 

渡り鳥の群れを見ていた

 

全て空に溶けて見えなくなる

 

ここからは遠い

 

まだ遠い

 

風が冷たい、花曇り

 

春が近づいては遠ざかる

 

美人とすれ違い見とれる