日報

あるいは遺書

りゅう

切り立った崖

 

匂い

 

賢者の目

 

僕たちは旅をする

 

犠牲者が出る

 

大地の縁に向かって

 

いくつもの影

 

言葉

 

色がないことに慣れ始めてる

 

確かさを確かめる

 

ずっと続く痛み

 

肉の軋み

 

傷痕がじくじくして

 

雨が降り始める

 

薄暗い朝

 

何かを始めなければ

 

二本足の行進

 

息を吸って吐く

 

0に近づく

 

小さな祠に

 

手を合わせるように

 

季節の微細な変化に

 

気づいている

 

手を重ねていく

 

何年もかけて蝕む呪物

 

幸福で日々を食い荒らす

 

何もない日々を染めている

 

記憶がひとりでによみがえる

 

時間は伸びたり縮んだり

 

あなたがいたりいなかったりする