2023-01-22 ■ 何かが音もなく崩れていく それはとても静かに始まる お前も私も素知らぬ顔をして 冷たい川の中を歩いていく足の長い鳥 たくさんの音がバラバラに解けて それを考える前にやれ お前がここにいることは間違っている トンネルを通過する車が立てる地響きが 鯨のいななきのように聞こえた 私は後部座席に座って運ばれていた 運転席には何かに怒っている母 海が始まる 記憶の表面がざらざらとして痒い 新しい服を買おう、意味はないけれど お前が人々の目にどのように映るか 映画のように過ぎてしまう 果実の甘さが口いっぱいに広がる 何かは何かのまま通り過ぎていく