日報

あるいは遺書

りゅう

何かが音もなく崩れていく

 

それはとても静かに始まる

 

お前も私も素知らぬ顔をして

 

冷たい川の中を歩いていく足の長い鳥

 

たくさんの音がバラバラに解けて

 

それを考える前にやれ

 

お前がここにいることは間違っている

 

トンネルを通過する車が立てる地響きが

 

鯨のいななきのように聞こえた

 

私は後部座席に座って運ばれていた

 

運転席には何かに怒っている母

 

海が始まる

 

記憶の表面がざらざらとして痒い

 

新しい服を買おう、意味はないけれど

 

お前が人々の目にどのように映るか

 

映画のように過ぎてしまう

 

果実の甘さが口いっぱいに広がる

 

何かは何かのまま通り過ぎていく