日報

あるいは遺書

りゅう

風に吹かれてます

 

漂流物に囲まれて

 

天国目指してる

 

屋根の上のシーサーみたいに

 

薄っすら笑みを浮かべている

 

お姉さんがはしゃいでいる

 

麦わら帽子が飛ばされる

 

サトウキビの花が揺れる

 

細かい雨が降り出す

 

光の中で歴史を抱きしめる

 

潮風で錆びていく自転車

 

砕けたアスファルト、もう読めない看板

 

俺たちはどこでも暮らしていける

 

石段を登っていく

 

野球の声がきこえる

 

アイスクリーム食べたいね

 

ポッケに手を入れて佇む

 

もういない人の影が照りつく

 

窓の向こうに手を振る

 

神の風

 

それは怒りではない

 

血液が循環する

 

静けさに耳を澄ます

 

忘れ去られた道を辿って

 

もう一度回収する