日報

あるいは遺書

りゅう

烏の急降下

 

硝子の矢

 

地方の道の駅の陽気な音楽

 

暗雲立ち込める

 

退屈そうな子

 

奇妙な霊が私の身体を使って喋る

 

身元不明の絵

 

冷たい風

 

まるで焼け野原だ

 

資本主義の夢

 

ハイビスカスが咲いている

 

天皇陛下万歳

 

結んでいく

 

文化の終わり

 

人間性の終わり

 

拾い上げようとして怪我する

 

初めて海の怖さを知る

 

献身的な女性の手で

 

初めてここに在る自分を知る

 

命が逃げる

 

乗り移るのではなく

 

他者として話をしてくれ

 

脳の回路が複雑になった人間は

 

スピードに取り憑かれて

 

わからなくなっていくのが楽しいと言う

 

窓に打ちつける雨を見ている

 

汚れた白が

 

遺灰のように

 

散り散りになっていく

 

体中のチャクラを意識する

 

音もなく声もなく

 

欠けていく

 

そのまま

 

間に合わない

 

咳をする

 

雲間から日がさす

 

真っ白なワンピースを着たあなたが

 

海辺に立っている