日報

あるいは遺書

りゅう

かつて呼吸があった場所

祈りの終わり


横たわっている自分の体


呼吸もせず止まっている


それを恐ろしいと感じる理由ももうない


真っ青な絵の具で塗りつぶされた空


海中に沈んでいくように


誰も知らない記憶


手のひらを重ね合わせて


一緒にほどいていこう


もう帰りたい


また会いたい


惑星の運動


欠けたボタン


はっと灯りが灯るように


さざ波の一番外側


かつて呼吸があった場所


ようこそ


病院の白


清潔な風


カーテンを開ける


全ての色を含んだ光が


祝福も呪いも一緒くたにして


跳ねる


自分自身の重さに気が付いたのはいつだっただろう


音楽室からピアノの音


好きなもの、嫌いなもの


どこか遠くへと漕ぎ出す


舟を出す


柔らかい布


勇敢な魂


教えてくれる


今まで目にした全てをかけ合わせたとき


間違っていない


正しくもない


ある方向性に沿って進む