日報

あるいは遺書

りゅう

突風

やがて崩れ落ちる


だから秘密基地つくろう


ここから出たいと言う


突風


全てのものを薙ぎ倒す


電柱も木もサーカスのテントも


音を奪われたまま


夜の間


静かに揺れる


悲しみ、金縛り


沖縄に行きたい


灰色になりたい


家族


手のひらをかざす


まだ迷っている


右も左もないのに


繋がれたままの緒が痛むから


放る


煙草の煙


悪魔を浄化していく


給水タンクの上から


橙色に沈む街


汚れた手


満足したくない


もう一度最初からやりたい


そうしてぐるぐると同じ場所を廻る


森の中を彷徨う


膝小僧を擦りむく


ランドセルを失くす


木漏れ日が揺れる


ハッと気が付く


刻一刻と


半透明は形を変えて


強い願いが君を地面に縛り付ける


意味ないことなんて何もない


残念ながらそういう風にできている


そう細胞が教える


たっぷりと水を含んだ細胞


膜の内側と外側



魂の重さに気が付く