日報

あるいは遺書

りゅう

決別

雨しとしと


忘れたくないこと


それでも


靴に染みこむ


桔梗色


時刻がかちかち


今は夕方ですか?


病院の前で佇む影


傘をさして


傘をささないで


身体が広がっていく


様々なものを内包したまま


励まして


行かないで


今ここにあるものだけでいい


小さな者に向けた歌


透明なコラージュ


風景の梯子を外す


お前はひとりぼっちで踊る


銀河鉄道の夜


パラパラと頁がめくれていくように


全て濡らす


ぴかぴか光る


あるものがなくなりないものがある


手のひらをかざす


会いたかった


呼吸合わせ


炎は白に近づく


二匹の龍


赤ちゃんになって


窓辺で微睡んでいる


内と外の境界


舵を切る


決別