日報

あるいは遺書

りゅう

光だった頃


優しさも悲しさもなかった


星が大きくなったり小さくなったりしていた


手に入れてからのことは


あまり覚えていない


指は5本に分かれ


好きなようにしなさいと言われる


さっきまでここにいた


誰かの温もり


痛いのは嫌です


入れ子構造になっているから


どこまで行っても果てがないな


小さな沈黙を見つけて


くすくす笑ったりしていた


放課後の図書室の風がクリーム色のカーテンを揺らす


どこまでも行けると信じてもいい?


白と黒の葬列


こちら側とあちら側に線が引かれる


いてもたってもいられない空白を


言葉によって埋め尽くす


こんにちは


雨が降る


置き去りにされた子どもは


一人で帰る


いつかここを離れる時に


君にこの歌を預けたいと思う


城壁は取り囲む


この町も年を取る


くたびれた灰色は風を受け止め続ける


キャッチボールしたっけ


季節を渡る鳥のようになりたい


そうした物事をしっかりと見るために


できるだけ頭の中を静かにしていたい