日報

あるいは遺書

りゅう

2人の自分

何度も同じ音楽を聴く


静かな暮らし


忘れていくことはとても簡単で


雨の日でもちゃんとカーテンを開ける


咲いた青


喉の奥で木霊する


それが終わった後は


もうどこにも帰らない


傷つかない存在


街の灯が光る


0に近づいたぶん0から遠ざかる


薄汚れた灰色の壁に懐かしさを覚える


目を閉じたまま歩いたりしてみる


不意に強い揺れ


水槽の水が跳ね


影が膨らんでは弾ける


赤ちゃんの記憶がよみがえる


しがみつく指


静かに降り積もり覆い隠していく雪


視点が定まらない


傷つける存在


ペンを置いた


繰り返し身を委ねる


走って帰る


ランドセルが肩に食い込む


夕暮れが追いかけてくる、でも遠ざけると近づく


そうして詩を編んだ


どうか夜を嫌いにならないように


巡り巡ってまたあの場所で会いたい


透き通った鼓動


目の裏の模様