日報

あるいは遺書

りゅう

ほころぶ

開かない歌


天使がおちる


絵本の中で


見るということについて


海にいきたい


雨が上がったら


寂しいままで


空っぽになって浮く


コーヒーを淹れて窓辺で詩を書く


明日も続いていたら


おばあちゃんに会いたい


セーターにてんとう虫がとまる


祠の前で目を閉じる


ほころぶ


それが好き


いっぱい寝たのに眠い


音のない映画みたいに


次々と現れては消えるみたいに


春ですよ


呼びかける


忘れたまま思い出す


菜の花を揺らす


影法師が遊んでいる


まだ光だったころ


その中に空があった


今もある


見ている


頬をふるわす


小さな小さな風をとらえる